当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。
1 当事者
申立人 キャバ&アルバイトユニオンOWLs(東京都豊島区)
被申立人 株式会社BLUE ROSE(東京都中央区)
2 争 点
⑴ 会社が、Xに対し、支払義務があることを認めた未払賃金等を支払わなかったことは、同人が組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たるか(争点1)。
⑵ 令和3年7月12日及び9月13日に行われた団体交渉における会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たるか(争点2)。
⑶ 会社が、9月21日の団体交渉を中止したこと及び10月12日付けの「回答書⑵」でこれ以上団体交渉をする必要がない旨を回答したことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか(争点3)。
⑷ 組合の5年5月21日付け及び6月5日付けの団体交渉再開の申入れに対し、会社が応じなかったことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか(争点4)。
3 命令の概要 <一部救済>
⑴ 会社は、会社の他の従業員を組合に勧誘するなどのXの組合活動を嫌悪し、組合との交渉を回避しながら、会社が支払義務があることを認めた部分を超える未払賃金等に係る組合の要求を取り下げさせることを意図して、組合員であるXに対し、支払義務があることを会社が認めた部分についても支払わないとする不利益を課したとみるのが相当であるから、同人が組合員であることを理由とした不利益取扱いに当たる。
⑵ 争点3については、当時団体交渉が行き詰まっていたとは認められず、また、争点4については、団体交渉再開の申入れに会社が応じなかったことにつき正当な理由があったとは認められないから、両争点の事実は正当な理由のない団体交渉拒否に当たるが、争点2の事実は不当労働行為に当たらない。
<参考>命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)