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S事件(令和元年不第95号事件)命令書交付について

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF))。

1 当事者

  申 立 人  X1(東京都日野市)

  被申立人  Y1(神奈川県川崎市)

  

2 争点

 ⑴ 令和4年3月2日の団体交渉における法人の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否又は不誠実な団体交渉に当たるか否か。

⑵ 組合からの4月14日付けの団体交渉の申入れに対し、法人が4月19日付ご連絡により、応ずることができない旨を回答したことは、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。

3 命令の概要 <棄却>

⑴ 令和4年3月2日の団体交渉における法人の対応について

法人は、団体交渉出席者の交渉権限やその根拠に係る論点について、組合に対して相応の説明を行っており、また、法人側の団体交渉出席者にも特段の問題は認められない。

このような状況の下で、4年3月2日の第9回団体交渉で法人が組合との団体交渉を打ち切った時点において、両者の間で、団体交渉事項に関して実質的・建設的な交渉を行うことは不可能な状態に陥っており、その原因は、労使が対等の立場で協議するという団体交渉の趣旨を自ら否定ないし没却する発言を行い、また、法人の発言そのものを妨害し続ける発言を繰り返した、組合の交渉態度にあった。そして、法人は、組合の繰り返しの質問に対し、法人としての認識を説明するほかなく、また法人としてそのような認識に至った経緯は不自然とはいえないから、法人の対応によって、上記の組合の交渉態度が正当化されるものではない。

⑵ 組合からの4月14日付団体交渉の申入れに対する法人の回答について

法人が、上記⑴のような組合の交渉態度から、第9回団体交渉のみならず、以降の組合との団体交渉においても、組合との間で実質的・建設的な交渉を行うことは期待できないと考え、団体交渉を行わないと判断したのもやむを得ないものといわざるを得ない。

 

<参考> 命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

 ・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)

 ・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)

記事ID:044-001-20241227-010077