当委員会は、2月5日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は
)。1 当事者
申 立 人 X(東京都千代田区)
被申立人 Y(愛知県名古屋市)
2 争 点
⑴ 会社が錬成費を廃止したことは組合運営に対する支配介入に当たるか否か。(争点1)
⑵ 錬成費廃止に係る団体交渉における会社の一連の対応は不誠実な団体交渉に当たるか否か。(争点2)
3 命令の概要 <棄却>
⑴ 争点1について
錬成費の廃止は、良好とはいえない会社の財務状況を背景として、全従業員を対象として、錬成費の支給の見直しを図ったものとみるのが相当であり、会社が、錬成費の廃止の協議に当たり、組合と別の組合とで同等の取扱いをしていることや、やや拙速であったとはいえ、組合との間で複数回の団体交渉を行い、資料を示して相応の説明をしたこと等も踏まえると、会社が錬成費を廃止したことは、組合の運営に対する支配介入に当たるとまではいえない。
⑵ 争点2について
長期間にわたり支給が続けられてきた錬成費については、諸手当団交の場において十分な協議がなされることが望ましく、会社が、約2か月前に廃止を通知したことは、いささか拙速な対応であったといえるものの、会社は、錬成費廃止の通知後に行われた5回の団体交渉を通じて、錬成費を廃止する理由について、その根拠となる必要な財務資料を開示するなどして、相応の対応をしており、会社の団体交渉における一連の対応が不誠実な団体交渉に当たるとまではいえない。
<参考>命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)