当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF))。
1 当事者
申 立 人 X1(東京都新宿区)
被申立人 Y1(東京都渋谷区)
2 争点
会社の下記⑴ないし⑶の行為が、X2が組合員であること又は組合活動を行ったことを理由とする不利益取扱いに、また、会社の下記⑷の対応が、不誠実な団体交渉に、それぞれ当たるか否か。
⑴ X2に対し、平成31年度及び令和3年度に昇給を行っていないこと。
⑵ 元年夏季及び冬季並びに2年冬季の賞与において、運転職の平均を下回る業績加算をX2に支給していること。
⑶ 出張(宿泊費及び日当が支給されるもの)及び時間外労働の少ない運行業務をX2に担当させていること。
⑷ 第8回団体交渉及び第14回団体交渉における会社の対応
3 命令の概要 <一部救済>
⑴ 昇給、業績加算、出張及び時間外労働について
ア 平成31年度及び令和3年度に昇給していないことについて
X2が組合員であることや同人の組合活動が、同人の考課結果に影響していたとまではみることができず、会社が、X2に対し、平成31年度及び令和3年度に昇給を行っていないことは、同人に対する組合員であるが故の不利益取扱いに当たるとまではいえない。
イ 元年夏季及び冬季並びに2年冬季の業績加算が低額であることについて
X2の元年夏季及び冬季並びに2年冬季の業績加算が低額であることについては、同人が組合員であることや同人の組合活動が影響しているとまではみることができない。
ウ 出張及び時間外労働が少ないことについて
平成29年6月以降、会社がX2に出張の少ない運行業務を担当させていることは、同人の組合加入を理由とする不利益取扱いに当たる。
会社が、組合加入後にX2に時間外労働の少ない業務を担当させているとまでいうことはできない。
⑵ 団体交渉について
第8回及び第14回の団体交渉において、会社の対応が不誠実な団体交渉に当たるとまでいうことはできない。
<参考> 命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)