当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF))。
1 当事者
申 立 人 東京中部ユニオン(東京都港区)
被申立人 日本郵便株式会社(東京都千代田区)
2 争 点
⑴ 会社が、第1回から第5回までの団体交渉(以下「本件団体交渉」という。)において、新東京郵便局が実施しているスキル評価の運用方法は、会社が作成している「マニュアルどおりのスキル評価であり、正当な運用方法である。」と繰り返し説明したことは、不誠実な団体交渉に当たるか否か(争点1)
⑵ 9月30日の第5回団体交渉で、会社が管理者用マニュアルを組合に開示しなかったことは、不誠実な団体交渉に当たるか否か(争点2)
⑶ 会社が、X1のスキル評価について、3年度上期に「A無」、3年度下期に「A有」としなかったことは、同人が組合員であるが故の不利益取扱いに当たるか否か(争点3)
3 命令の概要 <棄却>
⑴ 争点1について
新東京郵便局が会社の定めたスキル評価制度と異なった運用を行っているとの組合の主張はいずれも採用することができず、会社が本件団体交渉でスキル評価制度について虚偽の説明を行っているという事実は認められず、むしろ会社は新東京郵便局において手引きや定期評価マニュアルのとおりにスキル評価を行っていることについて組合が理解できるよう繰り返し説明を行っていたといえるから、本件団体交渉における会社の対応が不誠実であるとはいえない。
⑵ 争点2について
本件団体交渉において、管理者用マニュアルの開示が不可欠であったとは認められず、管理者用マニュアルを開示しなければ協議が進展しなかったということはできないから、会社がこれを組合に開示しなかったことが、不誠実な団体交渉に当たるということはできない。
⑶ 争点3について
3年度上期及び下期のX1のスキル評価において、特段不自然な点は認められず、手引きや定期評価マニュアルから逸脱した運用がX1に対しなされたとはいえない。また、X1が組合に加入して以降、同人のスキル評価が下がるなどして不利益な取扱いを受けた事実も認められない。
したがって、会社が、X1のスキル評価について、3年度上期に「A無」、3年度下期に「A有」としなかったことは、X1が組合員であるが故の不利益取扱いに当たるとはいえない。
<参考> 命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問合せ先 労働委員会事務局審査調整課 電話 03-5320-6990 |