令和3年8月18日 

東京都労働委員会事務局 

 

A事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

 

1 当事者 

  申立人   X1(組合)

被申立人  Y1(財団)

 

2 争 点

財団が、平成31年1月15日に千葉支局において、同月16日に茨城支局において、同月18日に西東京支局において、「ユニオンとは何か−その実態と対応方法−」を職員に配布し説明したことが、組合に対する支配介入に当たるか否か。

 

3 命令の概要 <全部救済>

⑴ 各支局長は、支局において「ユニオンとは何か−その実態と対応方法−」(以下「本件資料」という。)を配布し説明したが、これを行った時期は、組合員ら7名の配転をめぐって、裁判で争われている中、組合が各支局で情宣活動を行うとともに更なる活動を予告するなど、組合活動が活発化した時期であった。

⑵ 本件資料の内容は、財団と組合との紛争が激しくなる時期において、本件資料を配布された一般の職員に対し、組合は、多額の金銭を要求するなど財団を攻撃し、財団と敵対する存在であり、社会的にも財団にとっても好ましくない存在であるとの印象を与えるものであったといえる。

⑶ そして、各支局長が行った職員に対する本件資料の配布と説明は、財団の指示に基づいて行った財団の行為であると認められる。

⑷ 以上のことから、各支局長が本件資料を職員に配布し説明した行為は、職員に対し、組合は、財団と敵対する存在であり、社会的にも財団にとっても好ましくない存在であるとの印象を与え、組合への敵対意識を醸成するものであり、また、組合員である職員に対しては、組合への不信感を抱かせ、組合活動への萎縮効果を与えるものであるから、組合の組織運営に対する支配介入に該当する。

<参考> 

命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)

・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)

問合せ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 0353206979