当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は
)。
1 当事者
申立人 X1(組合)
被申立人 Y1(株式会社)
2 争 点
組合書記長の退職以降における団体交渉申入れに対する会社の対応が、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たるか否か。
3 命令の概要 <一部却下・一部棄却>
⑴ 本件申立ては平成28年12月12日にされたものであるから、申立ての1年前である27年12月12日以前に行われた団体交渉の申入れに係る申立ては、労働組合法第27条第2項及び労働委員会規則第33条第1項第3号の規定により却下を免れない。
⑵ 一般に、裁判所あるいは労働委員会に当該案件が係属中であることを理由として団体交渉を拒否することは許されない。しかし、本件の場合、①X3及びX4の解雇撤回要求は、解雇からそれぞれ約40年又は約32年が経過していたこと、②X6の欠勤控除等撤回要求は、約33年前に会社が決定した欠勤控除に係るものであること、③X5及びX6の賃金差別是正要求は、X5及びX6を昇格させなかったことからそれぞれ約21年又は約16年が経過していたことなどが認められる。また、この間、裁判所あるいは労働委員会の手続の中で双方の主張が尽くされたことが容易に推認される。よって、会社が要求の理由や趣旨・目的等を具体的に文書で明らかにするよう求めたことには相応の根拠があると認められ、組合がそうした会社の求めに対応したと認めることはできない。
⑶ よって、会社の対応が正当な理由のない団体交渉拒否であるということはできない
<参考>
命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)