当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は
)。1 当事者
申立人 X1(組合)
X2(支部)
被申立人 Y1(会社)
2 争 点
本件は、①自動車に関する国際品質保証規格であるIATF16949の審査員であり、会社と業務委託契約を締結している者(以下「業務委託審査員」という。)は、労働組合法上の労働者に当たるか否か(争点1)、②会社が、平成30年10月3日付け、23日付け、26日付け及び11月2日付けの書面で支部の組合員名簿の開示を求めたことは組合及び支部の運営に対する支配介入に当たるか否か(争点2)、③会社が、11月19日に業務委託審査員全員を対象として、従来実施したことのなかった「IATF業務委託審査員懇談会」を開催したこと及び支部の組合員らを含む業務委託審査員全員と個別面談を実施しようとしたことが組合らの運営に対する支配介入に当たるか否か(争点3)、④会社の審査部長(業務委託審査員のマネジメント等を職務とする会社の職制)が、12月20日に支部執行委員長に対し、支部の結成を容認しない趣旨の発言を行ったことが、組合らの運営に対する支配介入に当たるか否か(争点4)が争われた事案である。
3 命令の概要 <一部救済>
⑴ 業務委託審査員は労働組合法上の労働者に当たる。
⑵ 会社が、組合員名簿の開示を求めたことは、組合らの運営に対する支配介入に当たらない。
⑶ 会社が、「IATF業務委託審査員懇談会」を開催したことは、組合らの運営に対する支配介入には当たらない。また、会社が、組合員らを含む業務委託審査員全員に対して個別面談を実施しようとしたことは、組合らの運営に対する支配介入に当たらない。
⑷ 12月20日の会社の審査部長の発言は、組合らの存在を否定し、業務委託審査員の契約内容について組合らを通じて集団的に調整、決定することを否定して、組合らを通じてではない交渉の在り方を求めたものであるから、組合らの組織運営に対する支配介入に当たる。
<参考>命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)