当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は )。
1 当事者
申立人 X1(東京都新宿区)
被申立人 Y1(東京都新宿区)
2 争 点
本件は、財団が行った以下の行為が、組合員であるが故の不利益取扱い、及び組合の組織運営に対する支配介入に当たるか否かが争われた事案である。
①平成29年7月26日付X3の配転、②12月25日のX3に対するY2支局長の発言、③30年4月2日のX4に対するY2支局長の発言、④4月30日付X3の時短勤務終了、⑤6月20日付X2ら5名に対する降格又は降給、⑥31年2月28日付X3に対する普通解雇、⑦令和元年5月31日付X5に対する普通解雇
3 命令の概要 <一部救済>
⑴ 財団は、財政状況が悪化したため、平成24年頃から一般職として採用した職員を営業職に変更し、遠隔地へ配置転換(配転)するなどの人事制度改革を行った。
⑵ 27年3月以降、財団は、X2ら職員7名(X2ら7名)を、転居を要する地方の支局へ配転した。6月以降、X2ら7名は心身の不調を来して休職するに至り、財団は、配転を撤回した。28年12月1日、X2ら7名は組合に加入した。
⑶ 29年以降、X2ら7名は復職し、財団は、X3の復職に当たり、出退勤時各30分間の時短勤務を承認した。12月25日、財団のY2支局長(Y2支局長)は、X3との面談において「早期退職制度って制度があるじゃん。」などと発言した。30年4月2日、Y2支局長は、X4との面談において「いいんじゃない。出社できなくなっちゃえば。」などと発言した。同月30日、財団は、X3の時短勤務を終了し、翌日、同人をY2支局営業職から本部内勤職に配転した。6月20日、財団は、X2ら組合員5名に対してグレードの降格又は降給を行った。財団は、31年2月28日付けでX3を欠勤等の多発などの理由により、令和元年5月31日付けでX5を勤務成績不良などの理由により、それぞれ普通解雇した。
⑷ 上記2の争点のうち、②X3に対するY2支局長の発言、⑥X3に対する普通解雇、及び⑦X5に対する普通解雇については、組合員であるが故の不利益取扱いと組合の組織運営に対する支配介入に該当するが、そのほかの申立ては棄却する。
<参考>命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)