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B事件(令和4年不第50号事件)命令書交付について

当委員会は、7月13日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

1 当事者

申立人  X1(東京都港区)

被申立人 Y(東京都中央区)

2 争 点

組合が4年7月26日付け及び8月4日付けで申し入れた団体交渉に会社が応じなかったことが、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。

3 命令の概要 <全部救済>

⑴ 団体交渉申入書で組合が申し入れた協議事項は、全て会社と組合員X2との間の未解決の労働条件に係る事項であって義務的団体交渉事項に当たるから、会社は団体交渉に応ずべき立場にあったといえる。

⑵ 会社は、組合からの7月26日付団体交渉申入れに対し、同月27日付で、認可官庁、該当する法律、執行委員長及び担当者の身分証明書並びにX2からの委任状を求め、さらに、組合からの8月4日付団体交渉申入書に対しても、「そもそも組合の法的立場、自身の身分も明かさず、あなたたちは何者か。」などと返信し団体交渉を拒否した。

本邦において労働組合は自由設立主義であり許認可の制度はないが、労働組合が不当労働行為救済申立てを行った場合には、労働委員会が資格審査を行い労働組合法上の労働組合であるか否かを判断する制度となっており、本件の合議に先立ち当委員会で組合の資格審査が行われ、適法決定がなされたところである。

そして、組合は、上記2通の団体交渉申入書において、組合の名称、住所、電話番号、ファクシミリ番号及びメールアドレス、執行委員長の氏名、交渉の議題がX2の解雇問題等であることなどを明らかにしており、会社がさらに執行委員長及び担当者の身分証明書まで確認しなければ団体交渉ができない理由は見いだせないし、会社が、組合がどのような団体であるのか疑問を持っているとしても、そのことは必要に応じて団体交渉の中で確認されるべきものであり、組合が会社の求めに応じないことをもって団体交渉を開催しない正当な理由には当たらない。

⑶ したがって、会社が団体交渉を拒否したことは、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たる。

 

<参考>命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)

・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)

記事ID:044-001-20241018-009277