令和5年10月12日
東京都労働委員会事務局
N事件命令書交付について
当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。
申立人 X1(東京都中央区)
同 X2(東京都中央区)
被申立人 Y(富山県富山市)
⑴ X3の退職金に関する団体交渉における会社の対応は、不誠実な団体交渉に当たるか否か(争点1)
⑵ 3年3月18日のあっせん期日における会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か(争点2)
⑴ 争点1について
会社がX3の退職金の算出について同社の退職金規程を適用せず、吸収合併したC5会社の退職金規程を適用することについて、組合がその根拠規定の提示及び説明を求めたことに対し、会社は、組合と会社との認識の相違を把握した上で、これを是正するために、各合併の経過を踏まえた退職金規程の運用について、組合の要求の具体性に応じた相応の説明をしているといえる。一方で、組合は、会社の説明を踏まえた追及をすることなく、根拠規定の提出を繰り返し要求しているにすぎないから、会社の対応が不誠実であるということはできない。
⑵ 争点2について
組合は、あっせん期日において、会社があっせん員に対して「団体交渉に、この問題で、応じる考えはない。」と発言したと主張する。しかし、組合が、第3回団体交渉終了後から第1回あっせん期日までの間に団体交渉の申入れをした事実は認められないし、あっせん期日において、会社が同手続に係る会社の見解をあっせん員に伝えたとしても、組合の団体交渉申入れに対する直接の意思表示ではなく、そのような会社の言動をもって、同社が正当な理由なく団体交渉を拒否したということはできない。
<参考>命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問合せ先 労働委員会事務局審査調整課 電話 03−5320−6985・6986・6990 |