令和5年6月30日

東京都労働委員会事務局

 

キャピタルモータース事件命令書交付について

 

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙)。

1 当事者 

申立人  日本労働評議会(東京都新宿区)

被申立人 キャピタルモータース株式会社(東京都杉並区)

被申立人 キャピタルオート株式会社(東京都杉並区)

2 争 点

平成31年2月27日付団体交渉申入れ及び令和元年1126日付団体交渉申入れに係る9項目(@賃金改定、A有給休暇、B釣銭準備、C組合掲示板、D改定前の新賃金適用、E組合ニュース、F貸付制度、G弁護士特約及びH複合機)の議題に関する会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。

3 命令の概要 <一部救済>

⑴ 組合は、組合ニュース(上記E)に係る会社の抗議に対し、同様の行為を繰り返さない姿勢を示しており、労使の関係正常化に向けた交渉の余地はあったというべきであり、また、複合機(上記H)の搬入について、会社との話合いを尊重しない態度であったとはいえない。よって、会社が、組合ニュース及び複合機に係る組合の対応を理由として団体交渉を拒否したことは、正当な理由のない団体交渉の拒否に当たる。

⑵ 会社は、組合との団体交渉においては、組合の釣銭準備(上記B)の要求に対して検討する旨を回答していたものの、その後、釣銭準備はできない旨を一方的に組合に通知しており、団体交渉の場で何らその回答や説明をすることなく、団体交渉を一方的に打ち切ったと評価せざるを得ない。よって、釣銭準備の議題に係る会社の対応は、正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。

⑶ 組合は、会社が加入する交通事故保険に付された弁護士特約(上記G)について協議を求めたが、会社は、弁護士特約を社内周知する必要性の有無についての会社の結論を回答するにとどまり、その後の団体交渉において組合への説明や協議を行っておらず、交渉途中で団体交渉を一方的に打ち切ったといわざるを得ない。よって、弁護士特約についての会社の対応は正当な理由のない団体交渉拒否に当たる。

 

<参考>命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)

・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)

問合せ先

労働委員会事務局審査調整課

電話 035320698569866990