当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF))。
なお、命令書は、申立人及び被申立人東邦プラスワンコンサルタント株式会社にはいずれも令和7年12月10日に交付しましたが、被申立人東邦エンタプライズ株式会社及び同株式会社東京ベツクスにはいずれも所在不明により交付できなかったため、令和8年1月7日付けの東京都公報で公示を行いました。
公示後、被申立人東邦エンタプライズ株式会社及び同株式会社東京ベツクスがいずれも命令書を受領しなかったため、公示をした日の翌日から起算して2週間を経過した日(令和8年1月21日の終了)をもって交付があったものとみなされました。
1 当事者
申 立 人 東京・中部地域労働者組合(東京都千代田区)
被申立人 東邦エンタプライズ株式会社(東京都港区)
被申立人 株式会社東京ベツクス(東京都世田谷区)
被申立人 東邦プラスワンコンサルタント株式会社(神奈川県相模原市)
2 争 点
⑴ 平成29年6月20日付け、7月3日付け、10月6日付け及び11月24日付けで申立人東京・中部地域労働者組合(以下「組合」という。)が申し入れた団体交渉に対する被申立人東邦エンタプライズ株式会社(以下「会社」という。)の対応が正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か。(争点1)
⑵ 会社がX1に23年冬季分から29年夏季分までの一時金をそれぞれの支給時期に支払わなかったことが組合員であるが故の不利益取扱い及び支配介入に当たるか否か。(争点2)
⑶ 会社が29年7月31日付けでX1を解雇したことが組合員であるが故の不利益取扱い及び支配介入に当たるか否か。(争点3)
⑷ 会社がX1に分割での支払を確約した23年冬季分から27年冬季分までの一時金について30年8月31日支払分以降支払わなくなったことが組合員であるが故の不利益取扱い及び支配介入に当たるか否か。(争点4)
⑸ 30年
⑹ 被申立人株式会社東京ベツクス(以下「ベックス」という。)はX1の労働組合法(以下「労組法」という。)上の使用者に当たるか否か、当たるとすれば、労組法上の使用者として上記⑴から⑷までにおいてそれぞれ不当労働行為を行ったか。(争点6)
⑺ 被申立人東邦プラスワンコンサルタント株式会社(以下「プラスワン」という。)はX1の労組法上の使用者に当たるか否か、当たるとすれば、29年6月20日付け、7月3日付け、8月4日付け及び8月21日付けで組合が申し入れた団体交渉に対するプラスワンの対応が正当な理由のない団体交渉拒否に当たるか否か、また、労組法上の使用者として上記⑵から⑷までにおいてそれぞれ不当労働行為を行ったか否か。(争点7)
3 命令の概要 <却下・棄却>
⑴ 争点1から5までについて<却下>
ア 確かに、会社は、29年6月20日に組合から団体交渉を7月12日に開催することを求められたにもかかわらず、それに対する回答をしないまま、X1に対し、6月30日、解雇予告通知書を送付し、その後の組合からの団体交渉開催の申入れに対しても一切応じていないのであって、これらの会社による団体交渉拒否は正当な理由のないものといわざるを得ない。
イ しかしながら、
(ア) 会社においては、22年冬季分から一時金の遅配が生じ、23年頃には他の企業から会社への業務委託契約の打切りや縮小が続き、28年10月から12月にかけては消費税等の滞納により東京国税局に売掛金を差し押さえられ、28年12月時点のX1以外の会社の従業員(アルバイト、契約社員)は全員、同月中に会社からあっせんされた別会社に就職し、29年7月末には唯一の正社員であったX1が解雇され、会社に従業員はいなくなったこと、
(イ) 会社は、本件申立後の30年10月10日、株主総会の決議により解散し、12月25日に清算を結了、同月27日にその旨の登記を行い、会社の登記記録は閉鎖されていること、
(ウ) 本件申立時に会社の代表取締役であったY1は、30年10月16日付けで清算人に就任し、令和3年5月13日に当委員会に証人として出頭したのを最後に、音信不通となり、そして、会社あるいは会社の代表者であったY1が、その後も会社の事業を継続しているとか、会社と同一の事業を別法人によって実質的に承継しているなどの、いわゆる偽装解散をうかがわせる事情は認められないこと、
などの各事情に照らせば、7年6月6日の本件の結審時において、会社は、本件申立てにおいて救済命令が発せられたとしても、法的にも実態的にも、それを実現することは不可能な状況にあるといわざるを得ない。そうすると、組合の会社に対する申立てはいずれも、「法令上又は事実上実現することが不可能であることが明らかなとき。」(労働委員会規則第33条第1項第6号)に該当し、却下せざるを得ないというべきである。
⑵ 争点6について<棄却>
ア ベックスがX1への一時金の継続的な支払や、同人の雇用の確保など、会社に雇用される組合員の基本的な労働条件等について、会社と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定しているとまで認めるに足りる疎明はないから、ベックスがX1との関係で労組法上の使用者に当たると認めることは困難である。
イ 上記アのとおり、ベックスは、X1との関係で労組法上の使用者に当たるとはいえないから、その余の点につき判断するまでもなく、ベックスがX1の使用者として、組合が主張する不当労働行為を行ったということはできない。
⑶ 争点7について<棄却>
ア プラスワンがX1への一時金の継続的な支払や、同人の雇用の確保など、会社に雇用される組合員の基本的な労働条件等について、会社と部分的とはいえ同視できる程度に現実的かつ具体的に支配、決定していると認めるに足りる事実の疎明がなされているとまではいえないから、プラスワンがX1との関係で労組法上の使用者に当たると認めることは困難である。
イ なお、組合は、プラスワン本社で行われた団体交渉において、プラスワンが、X1の労組法上の使用者であることを認め、積極的に発言したなどとも主張するが、プラスワンの代表取締役であるY3は、会社の代表取締役であるY1から相談を受けたために、団体交渉の開催場所としてプラスワンの本社を提供し、自らも団体交渉に出席したけれども、会社とプラスワンとは全く別の会社であり、会社の代表取締役であるY1から相談を受けて協力しているにすぎないという立場を堅持していたとみるのが相当である。よって、団体交渉におけるY3の発言等を併せ考えても、プラスワンがX1の労組法上の使用者であると認めることは困難である。
ウ 上記ア及びイのとおり、プラスワンは、X1との関係において労組法上の使用者に当たるとはいえないから、その余の点につき判断するまでもなく、プラスワンがX1の使用者として、組合が主張する不当労働行為を行ったということはできない。
<参考> 命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。
・中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
・東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
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問合せ先 労働委員会事務局審査調整課 電話 03-5320-6990 |